神奈川中央交通で動態保存されている木炭バス 三太号を見てきました。
木炭自動車は戦時中の燃料がない時に
後部に積んだ窯の中で薪を加熱分解して、木炭を作る過程で出る木ガス(COやH2を含む可燃性ガス)をガソリンエンジンに供給して走行する車両です。
発生炉ガス自動車ともいいます
金魚がはじめてこの存在を知ったのは
中学受験前の歴史の授業と理科の授業でした。
歴史では
燃料がなかったときこんな車で石油を使わないようにしたよと
理科では
乾留という実験で木を蒸し焼きにして木炭を作る方法その過程で
木ガスと
木タール
木酢液ができる
この木ガスで車を動かす事ができる
ということ
小学生ながら少し興味をそそられたのを覚えている
今は自動車のプロとして
当時の技術に個人的な興味があって見に行ってきた
長期保存している車両とは思えないぐらい
きれいに保存されていますね
残念ながらフードの中を見ることはできなかったのだが、
リアの発生路まわりは詳しく見させていただいた
展示資料の構造図も参考にしつつ見てきました。
後ろから見えるところで
中央の筒が発生炉
左側のハンドルがついてるでんでんむしみたいな装置がブロワ
右手前の筒が分離器
左右に清浄器(フィルター)
確かじゃないんだけど
たぶん右側が軽石の第一で
左側がシュロの第二
ブロワは
空気を供給するというよりは発生炉の中を正圧にして発生したガスをエンジンに押し込むイメージがわかりやすい
エンジン始動時などに使用するそう
発生炉の下側から
手前の背の低い筒に配管が伸びていた
これが分離器
大まかな気液分離
その後ガスを冷やす冷却器
これは車体の下側に筒がついてた
フィルターは
第一弾の軽石(アルカリ)で酸を除去している
第二弾でシュロという木の皮でタールを除去し、ある程度清浄なガスをエンジンに供給しているよう
冷却器の後に設置することで、捕獲しやすくしているみたいね
フードの中は見れなかったから、ここは伝聞でしかないんだけど
ガスの供給部分にバルブがついていて、
量の調製をしてインマニに入るそう
アイドリング時はインマニが負圧になるからたくさん流れてしまうと思うから運転中に燃調の調製が必要だったのかも
今でこそLPGなども利用できるようになりましたが、当時としては
構造など非常によく考えられている。
フィルターのエレメントなんかも手に入る物で設定してるし
燃料の不足している戦時下で自動車を走らせるという課題をこのような方法で解決した当時の技術者には頭が下がります。
また、ある程度フィルターで除去しているとはいえ、木ガスを発生させるときに出る副産物の木タールと木酢液(酢酸)はエンジンの寿命を短くします。
このような、車両を現代まで保存して維持している神奈川中央交通さんにも頭が下がります。
今こうやって動いている状態を見れるのはすごいことだよ
今回の件は撮り流した動画にもしていますので是非見てみてください。
https://youtu.be/o0pYvWucfWo?si=EnIhSrvjHN_agsi0
見ている最中に
発生炉から
あるものが出てきてさらに驚きましたし、笑いましたw
焼き芋
美味しそう
有効利用してるw
発生器の蓋開けたら美味しそうな匂いした
という訳で以上です!
ではでは〜